妥協は禁物!コミュニケーションを制する者は人生を制す – FBI式交渉心理学

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こんにちは、全国のリーダーの皆さん!

あなたは交渉と聞いて何を思い浮かべますか?ビジネスの取引、家族との小さな議論、はたまたお店での値切り交渉かもしれませんね。しかし、今日紹介するTEDトークの元FBI人質交渉専門家クリス・ヴォス氏によれば、交渉の対象は何もかもが含まれ、まさに日常のすべてと言っても過言ではありません。彼のTEDxでの話は洞察に満ちており、我々の交渉術を再考させるものでした。

そのタイトルは、”Never Split The Difference | Chris Voss | TEDxUniversityofNevada“(「妥協するな」クリス・ヴォス / TEDネバダ大学)です。

さて、早速、このトピックを深堀りしていきましょう:

クリス・ボス氏とは何者か?

皮肉にも、「テロリストとは交渉できるが、中西部出身の無骨で愛情深い母親とは交渉できない」と語るクリス・ヴォス氏は、ニューヨークの連邦ビルで働いていた元FBIの人質交渉専門家です。そんな彼の経験は、私たちの日常にも応用可能な洞察と戦略を提供しています。ヴォス氏の経験から学ぶ一番大切なことは、交渉においては決して妥協してはならないという点です。

「Never Split The Difference」

交渉の世界において「Never Split The Difference(妥協するな)」は強烈なメッセージです。ヴォス氏が言うには、交渉とは相手との合意点を見つける過程であって、相手に歩み寄ることではありません。実際の交渉現場である人質解放においては、妥協は生命を危険にさらす行動であり得ますから、妥協は許されないのです。

“Never Split the Difference” を日本語に直訳すると「決して差を割ってはいけない」「妥協するな」となりますが、、彼が提唱する交渉術の本質を捉えるためには、文脈を考慮した訳が必要です。この場合は、「絶対に妥協せず、最善の解決策を追求しろ」という意味合いを込めて、例えば「一切の妥協を排せ」「最善の結果を目指せ」といった意味になるでしょう。

交渉における繊細さとは?

ヴォス氏は交渉において、相手の立場や視点を理解する「戦術的共感(tactical empathy)」のコンセプトを持ち込みました。彼は実際にバーで遭遇したベトナム退役軍人の例を挙げ、その人物から攻撃的な態度を受けながらも、共感を通じて状況を好転させたエピソードを紹介しています。これは日々の生活における小さな課題から、大きなビジネスの交渉まで、あらゆる交渉に応用可能なテクニックです。

彼が提唱する「戦術的共感」は、相手の感情や背景に耳を傾けることで、交渉の成果を高めるというのが核心です。単なる感情移入ではなく、相手の立場を深く理解することで信頼関係を築く戦術です。採用するには相手を観察し、聴く能力が求められますが、それによって相手の意図や必要を把握し、より有利な交渉の進路を開くことができます。

会話におけるこのような洞察は、袋小路に陥った際の突破口となり得るため、交渉ごとにおいて基本となる戦術と言えるでしょう。

共感を武器にする

クリス・ヴォス氏は、「武装した共感(weapons-grade empathy)」というフレーズを使い、共感がどれほど強力なツールであるかを語ります。交渉時に相手の視点を理解し、それを落ち着いて相手に伝えることで、相手の心を動かすことができるのです。

彼が強調する「武装した共感」は、対話において心をひらくカギとなる重要な要素です。ただし、このアプローチは単に相手に同調すること以上の意味を持っています。この共感は戦略的であり、相手の感情や意見を適切に認めることで、信頼構築のプロセスを促進します。

確固たる共感を示すことで、相手は自らの本音を話しやすくなり、それによって真の解決に向けた道が開かれるのです。

これは、家族間の問題や社会的な交渉、さらにはテロリストとの交渉にも等しく適応することができます。

まとめ

交渉は、紛争の場だけでなく、日々のコミュニケーションの中で繰り返されるプロセスです。クリス・ヴォスに学ぶことで私達は、より良いコミュニケーターになり、適切な共感を通じて相手に影響を及ぼす力を身につけることができます。彼が提案する「Never Split The Difference」は、決して妥協せず、しかし同時に相手の立場を理解し尊重するというパラドックスを解いたメソッドです。

彼が示す交渉手法は、対立を打破するためにも、協調的な関係を築くためにも利用できます。彼のアプローチは妥協を排しながらも、相手を尊重し、深い理解に基づく関係構築を促進するものであり、これはどんな対話の場でも効果的です。このメソッドを身につけることで、私たちはより強固な関係を築き、より大きな成功へと導くことが期待できるのです。

それでは、今日も共感を持って、すべての交渉に臨んでみてください。次回のブログでまたお会いしましょう!

クリス・ヴォス氏の書籍も出ています。

逆転交渉術 まずは「ノー」を引き出せ (早川書房)

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