子ども時代の情緒的ネグレクト(無視)の9つの兆候

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皆さん、子供の頃に感じたことを大人になってからも抱えていることはありませんか?

先日、「子ども時代の情緒的ネグレクト(無視)が大人になった私たちに与える影響」についてのyoutube動画を見ました。

この動画では、親が子供の基本的な感情的ニーズを満たすことを怠った結果として、多くの大人がどのように苦労するかを9つの兆候を通じて教えてくれています。

これらの兆候は、多くの場合、自覚されずに存在し、成長の過程で足かせとなってしまっているのです。

参考動画:9 signs YOU experienced childhood emotional neglect(幼少期に感情的ネグレクトを経験した9のサイン)

情緒的ネグレクトは目に見えないかもしれませんが、大人になってからの私たちの生き方に深い影響を与えます。

でも大切なのは、過去に何が起きたかではなく、そこからどう進むかです。

この記事を読んで、もし当てはまる点があれば、それもまた自分を成長させる一歩として捉え、より良い未来へと繋げていく勇気と希望を持ってほしいと思います。

9つのサイン

1.感情の処理に苦戦

この兆候は、自分の感情を的確に把握したり表現したりすることが困難な状態を指しています。

具体的には、今自分が何の気持ちなのか言語化できない、感情の質がイメージできない、感じた気持ちをコントロールする方法がわからない、などの症状が当てはまります。

背景には、子どものころに親から感情表出を十分にサポートしてもらえなかった経験が関係しています

感情を表に出すことが危険視され、抑制されてきたため、感情そのものを扱う能力が未成熟なまま、大人になってしまったのです。

たとえば、仕事でミスをしたとき、感情の処理が上手くできる人は、一時的に落ち込むかもしれませんが、その後すぐに立ち直り、何が間違っていたのかを冷静に分析し、次への改善策を考えることができます。

一方で感情の処理に苦戦する人は、同じミスをしても、その感情が長く続いたり、感情に対処する方法が分からず、自己批判に陥ったり否定的な感情を抱え込み続けることになりがちです。

例えば:

  1. 過剰反応:小さな失敗に対して過剰に反応し、不相応な自己嫌悪や長引く憂鬱な気分に悩まされる。
  2. 感情の無視:感じている不快な感情を無視し、抑圧する傾向にあるため、ストレスが累積しやすく、突然の感情爆発やストレスによる体調不良に繋がりやすい。
  3. 問題の回避:つらい感情を感じる状況を避けることで、対処しているように見えるが、実際は問題を解決せずに先送りにし、状況を悪化させる。
  4. 対人関係への影響:感情をコントロールできないために、友人や同僚との関係において誤解や衝突が生じやすい。

このような感情の処理に関する苦戦は、適切なサポートや自己理解を深めることによって、徐々に改善することが可能です。

自分の感情を受け入れ、表現すること、そしてそれに適切に対応する方法を学ぶことが、感情の処理能力を高めていく鍵になります。

2.過度の防衛性

この兆候は、些細なことでも自分を脅威に晒されていると過剰に反応してしまう状態を示しています。

例えば、他人から「今何してるの?」と真剣に尋ねられるだけで、自分が追及されていると感じて敵意を抱いてしまうといった具合です。

背景には、子どもの頃に自分の感情表出が常に否定的に扱われてきた経験が関係しています。感情を持つこと自体が危険だと学習してしまったため、他者からの関心でさえ脅威に感じてしまうのです。

以下は過度の防衛性を示す例です:

  1. 無実の質問に対する過剰反応:例えば、同僚が仕事での進捗を問うと、「私が何もしていないと思っているの?私はいつも以上に忙しいんだ!」といった具合に怒りっぽく反応してしまう。
  2. アドバイスを受け入れられない:友人が親切にアドバイスを提供したとしても、「自分でどうにかできる、干渉しないで!」と感じたり発言したりする。
  3. 自分の意見が常に正しいと思い込む:他人の意見や視点を受け入れられず、自分が正しいと考え固執し、対話や建設的な批判を受け止めることができない。
  4. ジョークや軽いからかいにも過敏:友人が軽く冗談を言ったとしても、個人攻撃と受け止めてしまい、不必要に傷ついたり攻撃的になったりする。

過度の防衛性は、人との関係を困難にし、コミュニケーションを妨げる可能性があります。

これはしばしば、過去の経験や自己意識の低さに根付いているため、感情の認識と管理スキルを向上させることによって改善することができます。

自分の行動に気づき、自己反省し、必要に応じて専門家に相談することが、防衛性を減らすための一歩になりえます。

3.人に好かれようとする心理

他人を喜ばせようとする行動は、実は一種の操縦です。

私たちは他人が満足することにより、自分自身が安心しようとしています。これは感情の無視に対する無意識の反応であり、本来必要とされる感情的サポートを親から得るための策略であったかもしれません。

また、別の背景には、自分の感情は受け入れられなかったが、親の気持ちさえよければある程度情緒的サポートが得られた、という経験があると考えられます。

4.援助を求めることができない

これは、自分のニーズを顕在化させたり、他者に助けを求めたりすることが難しい状態を指します。

背景には、子どもの頃に自分の意見や感情の表出が受け入れられなかった経験が関係しています。自分の意見を言うことが「迷惑をかける」「うるさい」と思われてしまうのではないかと恐れるようになるのです。

そのため、自分のニーズを抑制し、他人に頼ることを避けるようになります。時には「toxic independence(毒のある独立心)」と呼ばれる状態に陥り、他人の助けは一切必要ないと断言するほどです。

しかし、この過剰な独立心は自分を追い詰める結果を招きます。人は他者との関わりなしには心の健康を保てない社会的な動物なのですから。

5.小さな失敗に対する強い羞恥心

この兆候は、些細なミスや失敗をしただけで、強い羞恥心や自責の念にとらわれてしまう状態を示しています。

背景には、子どもの頃、自分の悩みやつらい気持ちが受け入れられず、すべて自分で処理しなければならないと学習してしまった経験が関係しています。

その結果、

「ちゃんとした大人ならこれくらいのことは一人でできるはずだ」

「迷惑をかけてはいけない」

という無理な基準を自分に課してしまい、ミスを犯すことに対して過剰に反応してしまうのです。

これが結果として、大人になってから自分に対して現実的でない基準を課すことにつながります。些細なミスであっても、大きな羞恥心を覚えてしまうのです。

つまり、子どもの頃に自分の気持ちが受け入れられなかった経験が、大人になって完璧主義的な姿勢や過剰な自責の念を生み出している、と考えられるのです。

6.社交からの隔離

この兆候は、他者との関わりを避け、ひとりでいることを好む状態のことを指します。

他人との交流は、自分が「過剰」であること、あるいは自分の感情を理解しあうことに苦痛を伴い、孤独を選ぶことが安全だと感じさせます。

背景には、子どもの頃に自分が「迷惑をかける」「うるさい」存在であると学習してしまった経験が関係しています。

他者と接することは、そうした自己への脅威を想起させる結果になるため、他人を避けることでストレスが軽減されると考えるようになるのです。

しかし、人間は社会的動物であり、孤立は新たなストレスを生むことにもなります。

自分で自分を閉じ込める「自己投獄」状態とでもいうべきこの兆候は、十分な注意が必要だと言えます。

7.嘘をつく習慣

この兆候は、意識的ではないが習慣的に嘘をついてしまう状態を示しています。

背景には、子どもの頃、自分の本当の気持ちを打ち明けることが「安全」ではなかった経験が関係していると考えられます。

自分の感情を口に出すことが拒否されたり、軽視されたりしたために、嘘をつくことが「自分を守る」手段として学習されてしまったのです。

その結果、大人になってもつい嘘が出てきてしまう「コンパルシブ・ライイング(衝動的な嘘つき)」の習慣が身についてしまう。

以上が、「つい嘘をついてしまう」の背景です。

8.決断することの難しさ

この兆候は、日常的な意思決定において迷いやすく、選択できないでいる状態を示しています。

背景には大きく2つの要因が関係していると考えられます。

1つは、感情との接点を失っていることです。自分の気持ちがわからないために、何がしたいのか判断できないのです。

もう1つは、不安定な自己概念です。「人を喜ばせる」ことで自分の存在価値を判断してきたため、他人の気分を害さない選択をしようと焦り、行動できなくなるのです。

このように、情緒的ネグレクトは意思決定能力にも大きな影を落としています。

9.熱心ではないパートナーを求める

この兆候は、情緒的ネグレクトを受けた人が、熱心でないパートナーを求めがちになるというものです。

背景には、子どもの頃に熱心で情緒的なサポートを与えてくれなかった親との関係性が影響しています。

そのため、大人になっても無関心なパートナーのほうが「正常」だと感じてしまい、ついそうしたタイプの人を求めてしまうのです。

逆に言えば、熱心で情緒的なサポートをちゃんとしてくれるパートナーに出会った場合、「密着しすぎている」「うるさい」と感じてしまうこともあります

ですが、これは自分の中にある「トラウマ」が影響しているだけであって、健全な関係の構築を妨げています。

セラピーを受けることで、この傾向に気づき、より建設的な人間関係を築くことができるのです。

過去は過去、今や未来を決めるものではありません。

過度の防衛性を改善し、より健全な感情処理を身につけるための方法はいくつかあります。以下に、具体的な対策を挙げます。

  1. 自己認識の向上:
    • 自分の感情や反応パターンを認識することから始めます。日記をつけたり、感情を表す単語を学んだりすることで、感情に名前を付け(ラベリング)、原因を理解するのに役立ちます。
  1. コミュニケーションスキルの強化:
    • 効果的なコミュニケーションの技術、特にアクティブリスニングや非攻撃的なコミュニケーションに焦点を当てます。相手の言っていることをよく聞き、自分の意見を冷静に伝える練習をします。
  2. 感情の調整:
    • マインドフルネスや瞑想を練習して、自分の感情に気づき、調整する方法を学びます。
  3. ストレスマネジメント:
    • ストレスが防衛性を高める一因となり得るので、ストレスマネジメントの技術(運動、リラクゼーション法、良質な睡眠など)を身につけます。
  4. 感情的知性の育成:
    • 感情的知性(EQ)を高めるためには、自分自身だけでなく他人の感情を認識し、理解することが大切です。
  5. セラピーを受ける:
    • 必要であれば、心理療法を受けることを検討します。カウンセリングや認知行動療法は、感情処理や防衛性に対する自己理解を深め、対応策を見つけるのに助けになります。
  6. フィードバックの受け入れ:
    • 信頼できる人からのフィードバックを受け入れ、自分の行動を客観的に見る機会とします。
  7. 状況の再評価:
    • 反応する前に一呼吸置き、状況をより客観的に評価します。自問することが役立ちます。「本当に攻撃されているのだろうか?」や「この反応は状況に適切か?」などです。

これらの方法は、練習と時間を要します。もしも改善が難しい場合は、専門家から支援を求めることが重要です。過度な防衛性は改善することができ、より良い対人関係や幸福感を得るための障壁を取り除くことが可能です。

まとめ

これらの兆候は一見すると、私たちの成人期に悪影響を及ぼすかのように思えますが、自己認識を高め、癒しの手段としてセラピーなどを利用することで、ポジティブな変化は可能です。

無視された感情によって築かれた壁を乗り越え、自分自身を筋立てた方法で発見し、新しいスタートを切りましょう。あなた自身が変化を創り出す力があることを信じてください。

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