あなたはナルシスト？ ナルシシズム[自己愛性パーソナリティ障害]の8つの共通点と、治療プロセス

ナルシシストって言葉、耳にしたことはありますか？もしかしたら「あれ？自分もナルシストなのかも？」と思ったことがあるかもしれませんね。まずは、ナルシシズムが一体何なのか、そしてナルシシズム的な特徴が自分に当てはまるのかどうかを考えてみましょう。このトピックについて、Kati Mortonさんというライセンスを持つ家族療法士がYouTubeの動画で分かりやすく説明しているので、今日はその内容に基づいてお話しします。

参考動画：Are you a narcissist? 8 common traits of narcissism（あなたはナルシスト？ナルシシズムに共通する8つの特徴）

ナルシシズムとは？

ナルシシズム、つまり自己愛性パーソナリティ障害とは、自己中心的で他人の感情に鈍感な特性を示す精神障害の一つを指します。ただし、ナルシシズムの特徴を持つからと言って、全員がこの障害を抱えているわけではありません。動画では、ナルシシズムの特徴がみられる場合にどのように対処するべきかについて、専門家による正しい診断の重要性が強調されています。

ナルシシズムの代表的特徴

1. 優越感の強さ

自分が最も優れていると信じ、他人を見下す傾向があります。自己の欠点を指摘されたり、批判されたりすると、過剰に反応して攻撃的になることがあります。

2. 権利意識

何をしても尊敬されるべきだとか、上昇するべきだという権利を当然のように考えています。

3. 注目の必要性

他人のお祝い事でも注目を一身に浴びたいと考えるため、場を荒らしてでも注目を集めようとします。

4. 支配欲

完璧さと優越性を保つために、あらゆる事をコントロールしたがり、ガスライティング（相手に「自分が悪い。 相手が正しい」と思い込ませ、自信を失わせる行為）や誘惑といった様々な形の操作を使います。

5. 境界線の欠如

他人と自分の間に明確な区別を設けることができず、独立性を尊重することが難しいです。

6. 責任の不受理

自分の行動に対する責任を取ることが非常に困難であり、誤りを認めることができません。

7. 共感の欠如

他者の感情を感じ取ることができず、共感する能力が非常に限られています。

8. 分裂

全てか無か（すべて良いか悪いか）の思考傾向があることです。

自分はナルシスト？

ナルシシズム的な特徴が一つでも当てはまるかもしれないと思った場合は、専門家に診てもらうべきです。しかし、自分がナルシストかどうかを心配する事自体が、実際にはナルシシズムがないことの兆候だとも言えるのです。

治療プロセス

自己愛性パーソナリティ障害（NPD）は、自己中心的な振る舞い、他人への共感の欠如、そして深い必要性を抱えているため、他人の注意を引き付けたいという欲求などを特徴とする一種のパーソナリティ障害です。この障害を「治す」というのは簡単ではなく、個人の意志と長期にわたる専門的な治療が必要です。

この動画では解説されていない内容ですが、以下に示すステップは、ナルシシズムの傾向のある人への治療プロセスで役立つ可能性があります。

1. 自己認識の向上

まず、問題を認識し、自己反省が行えるようになることが重要です。これは通常、個人が自分の行動や感情の背後にある動機を理解することから始まります。

2. 専門的なサポートを求める

心理療法、特に認知行動療法や精神力動的治療は、ナルシシズムの特性を持つ人々に役立ちます。これらの治療は、自分の感情や行動に責任を持つ方法を学ぶのに役立つかもしれません。

3. 治療の長期的な取り組み

ナルシシズムの特性を改善するには、時に数年にわたる長期的な取り組みが必要です。これには、定期的なセラピー、セルフヘルプグループへの参加、または家族療法などが含まれることがあります。

4. 対人関係スキルの改善

対人関係スキルの向上を図り、他人との健康的な関係を築くことが重要です。これには、共感を示す方法、効果的なコミュニケーションスキル、境界線を設定する能力の向上が含まれます。

5. 自己受容と他者受容の促進

自身の弱さや不完全さを受け入れ、他人も同様に不完全であることを受け入れることが大切です。これは自己評価の過度な依存を減らし、他人に対するアプローチをより健全なものに変えることにつながります。

6. 共感の育成

感情認知トレーニングなど、他人の感情を理解し、それに対して共感する能力を高めることも重要です。

7. 生育歴の理解

多くの場合、ナルシシズムは幼少期の経験に根ざしています。過去を紐解き、影響している要因を理解することが役立ちます。

8. コントロール欲の管理

自制心を身に付け、すべてをコントロールする必要はないことを理解し、失敗や批判を経験することの価値を認識します。

それぞれのケースは人それぞれであり、何が最も効果的かは個人によって異なりますが、ナルシシズムの傾向を改善する過程は自己認識の向上と継続的な自己改善の努力から始まることが多いです。また、これらの治療は専門家の監督下で行われるべきです。

まとめ

ナルシシズムの特徴は誰にでもわずかに見ることができますが、日常生活における影響が大きいか、または人との関係を妨げてるレベルであれば、その特徴は問題となる可能性があります。

もしナルシシストかもしれないと懸念しているならば、その心配があること自体、あなたがナルシシストではない可能性が高いことを意味しています。自分自身や他人を理解するためには、こんな特徴に注意を払うと共に、感情や行動のパターンを専門家と共に探っていくことが大切です。

この動画の内容は、自己理解や他人の理解を深める一歩となることでしょう。多くの思いや疑問を抱えながら、これらの特徴について考え、学び、そして理解を深められることを願っています。