運は科学で変えられる?心理学が解き明かす『幸運の作り方』

「運が良い」と言われる人と、「不運だ」と嘆く人。果たして運は偶然の産物なのでしょうか?
それとも、私たちが自らの手で運をコントロールできるものなのでしょうか?
イギリスの心理学者リチャード・ワイズマン教授は、この問いに挑むために、10年にわたる壮大な研究を行いました。
この研究では、運を左右するのが実は偶然ではなく、私たちの心の持ちようや行動であることが明らかになりました。
本記事では、ワイズマン教授の研究をもとに、「幸運を引き寄せる方法」について考察していきます。
運とは何か?心理学が解き明かす「運」の定義
ワイズマン教授が最初に取り組んだのは、「運」を定義することでした。
彼は400人の被験者を対象に、運がいいと感じる人と、運が悪いと感じる人の違いを分析しました。
被験者の年齢は18歳から84歳まで、職業もバラバラで、あらゆるバックグラウンドを持つ人々でした。
10年にわたる研究の結果、彼は「運」は偶然に任せるものではなく、思考や行動が大きく影響を与えていることを発見しました。
実験が示す「幸運な人」と「不運な人」の違い
ワイズマン教授は被験者に新聞を渡し、その中に含まれる写真の数を数える実験を行いました。
ここで、幸運な人と不運な人の行動の違いが如実に現れました。
平均して、不運な人は約2分をかけて写真の数を数えましたが、幸運な人はわずか数秒で結果にたどり着いたのです。
その理由は、新聞の2ページ目に大きな文字で「写真の数は43枚です」と書かれていたからです。
さらに、途中で「このメッセージを見たら実験者に伝え、250ドルを獲得しよう」というもう一つのメッセージもありましたが、不運な人はそれに気づきませんでした。
不運な人は、目の前のタスクに集中しすぎて、重要なチャンスを見逃してしまっていたのです。
運を引き寄せる4つの基本原則
ワイズマン教授の研究は、「運」は思考や行動の結果であり、4つの基本原則によって左右されると結論付けました。
チャンスを見逃さないスキル
幸運な人は、日常の中で潜在的なチャンスを敏感に察知するスキルを持っています。
例えば、他人と会話をしたり、新しいことに挑戦したりすることで、幸運な出来事が引き寄せられます。
彼らは自らチャンスを作り出すだけでなく、それを逃さずに捉えるのです。
直感に従った決断
ワイズマン教授によれば、幸運な人は直感を信じ、重要な決断を下すときにそれに従う傾向があります。
彼らは経験や知識に基づく無意識の判断を尊重し、その結果として成功を収めることが多いのです。
ポジティブな期待による自己成就予言
ポジティブな思考は、幸運を引き寄せる鍵の一つです。
幸運な人は、自分が成功するという強い期待を持って行動します。
その期待が自己成就予言となり、結果的に良い出来事を引き寄せるのです。
例えば、「今日はいいことが起きそうだ」という心構えでいると、小さなチャンスも見逃さずに活かすことができるでしょう。
逆境をチャンスに変えるレジリエンス
幸運な人は、困難な状況に直面しても、その経験を成長の機会と捉え、前向きな態度で対応します。
逆境に屈せず、失敗から学び、次のチャンスに繋げることができるため、結果的に「不運」な出来事も幸運に変えることができるのです。
運は変えられる?実験結果が示す驚きの事実
ワイズマン教授は、「運の学校」というプログラムを作り出し、受講生が運に関する考え方を変えることで、どのように生活が変わるかを調査しました。
1ヶ月のプログラム終了後、受講生の80%が「以前よりも幸運だと感じる」と回答し、人生に対する満足度も向上したという結果が得られました。
この実験は、幸運は自分の努力で変えられることを示しており、その背後には強い心理的要因が関わっていることを証明しています。
運に関する他の研究と見解
運に関する研究は、ワイズマン教授だけに限らず、多くの心理学者や経済学者も取り組んでいます。
例えば、アメリカの行動経済学者ダニエル・カーネマンは、人間がリスクやチャンスにどのように反応するかを研究し、「幸運は準備された心に宿る」という名言を残しています。
また、カーネマンの「プロスペクト理論」では、私たちが損失を過度に避けようとすることで、結果的にチャンスを逃してしまうことが指摘されています。
まとめ – 幸運は偶然ではない
ワイズマン教授の研究から得られた結論は明確です。
幸運は偶然の産物ではなく、私たちの心の持ちようや行動によって大きく左右されるものです。
チャンスを見逃さないこと、直感を信じること、ポジティブな期待を持ち続けること、そして逆境を乗り越える力を養うことが、幸運を引き寄せるための鍵となります。
幸運は待つものではなく、自ら引き寄せるもの。
この記事を読んで、あなたも今日から「運を作り出す」生活を始めてみませんか?