求める心が幸せを遠ざける~手放して、はじめて得られる幸福

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皆さんは、目標を達成するために、努力をされていますか?

これをご覧の多くの人は、目標を達成するために、努力や行動を重ねているのではないでしょうか。しかし、努力や行動を重ねても、なかなか目標を達成できないことがあります。

そんなときに、参考になるのが、YouTube動画「How to Get What You Want By Letting Go [The Backwards Law]/ Mark Manson : 手放すことで欲しいものを手に入れる方法【逆算の法則】」です。

この動画では、人生における目標達成について、とても示唆に富んだ内容が語られています。

  • 必ずしも努力が報われるとは限らない
  • 心は原因と結果が同じもの
  • 浮上するには沈むことを受け入れる

これだけではわからないと思いますので、この動画の要約を紹介し、詳しく解説したいと思います。

ネイビーシールズの訓練からわかること

動画の冒頭で米海軍の特殊部隊Navy SEALの訓練の一つである「ドラウンプルーフィング」について説明しています。

この訓練は、手足を縛られてプールに沈められ、5分間生き延びる訓練です。

教訓は逆説的である。水面から頭を出そうともがけばもがくほど、沈んで溺れる可能性が高くなる。溺れないためのコツは、実際に自分を沈ませることだ。プールの底まで沈んでから、底を突き破って上まで戻り、そこでまた息を吸って、そのサイクルを繰り返すのだ。
だから不思議なことに、溺れないためには超人的な強さや非常識な持久力は必要ない。

この訓練で大切なのは、浮上するためには一旦沈むことを受け入れるという逆説的思考だとMark Manson氏は述べています。

人生においても、努力が報われるとは限らない

むしろ努力すればするほど、思うような結果が得られない場合があります。これは努力と報酬の関係が1次曲線ではないことを示しています。

1次曲線

人生の多くの領域は単純作業ではなく、感情や人間関係などの複雑性を含んでいます。こうした領域には収穫逓減の法則があり、同じ努力を重ねても効果は徐々に減少していきます。

収穫逓減曲線

その典型的な例が生産性である。
2時間働くことは、1時間働くことの2倍の生産性があるだろう。4時間働くと、2時間の2倍の生産性があるかもしれない。8時間働くと、おそらくそうではない。そして、16時間働くことは、8時間働くことの2倍の生産性は絶対にない。

反転曲線

次にMark Manson氏は心の内なる感情に関しては、努力が逆効果となる「反転曲線」が存在するとは述べています。

反転曲線

人間の経験にはもうひとつの曲線があり、それはおそらくあなたが今まで見たことも考えたこともない曲線だろう。それは私が考え出したものだからだ。それを「反転曲線」と呼ぼう。

例えば幸せを直接的に追求すればするほど、かえって幸せから遠ざかってしまうと言うことです。

なぜ遠ざかってしまうのでしょうか?

それは、その感情を求めようとする心と、求められている感情の対象となる心は同じものだからです。

例えば、幸せを求めようと思う心が、「今この瞬間は幸せではない」と感じさせてしまうのです。

心の操作を狙うこと自体が、心に反する結果を生む原因となるのです。

私たちの高尚で抽象的な目標を達成しようとする試みは、これまでの人生でさまざまなものを追い求め、捕まえることに成功した犬が、自分の尻尾を追いかけようとするようなものです。…しかし、犬は自分の尻尾を捕まえることはできません。追いかければ追いかけるほど、尻尾は遠ざかっていくように思われます。それは、犬が自分と尻尾が同じものであることを理解する視点を持っていないからです。

幸せを求める心が、逆に幸せでないことを思い出させてしまい、好ましい状態を求めること自体が、好ましくない経験となるという逆の法則が働いているというのです。

満足の表層にとどまろうとすることで、私たちは自分自身を水中に深く沈めるだけなのだ。このような内的な心理体験は、同じもの、つまり心の原因と結果であるため、反転曲線の上に存在する。あなたが幸福を望むとき、あなたの心は望むものであると同時に望まれるものでもある。

ある特定の心の状態を得ようと意識的に追求することが、逆にそこから遠ざかる結果を招いているのです。

従って、浮上するには沈むことを受け入れることが必要だということです。コントロール不可能なものを手放すことで、逆説的に力が生まれる。ドラウンプルーフィングの様に、表面に到達する唯一の方法は、沈むことを許すことです。

心の操作は不可能であるため、あるがままを受け入れることで初めて変化が訪れるのです。

では、どうすればよいか

あなたは、無力だからではなく、力があるからこそ、コントロールを手放します。自分のコントロール範囲外のものを手放すことを決めたからです。時には人から好かれないかもしれないことを受け入れ、それでも彼らと関わることを決めます。時には自信を感じないかもしれないけれど、それでもやるべきことをやります。時には幸せを感じないかもしれないけれど、それでもベッドから出ます。

この「あるがままを受け入れる力」こそが、結果を恐れずに自由に生きる上でのカギとなるのです。

この考え方は、人生だけでなく、仕事の世界でも応用できると思います。

例えば、企画が失敗する可能性を受け入れ、それでもチャレンジする。完璧を目指さず、 80%の満足できる結果で十分だと考える。これらは、結果よりも過程を大切にする姿勢です。

つまり、

  1. 自分の心を直接コントロールしようとするのをやめ、あるがままを受け入れること。
  2. 人生には失敗が付きもの。成功するには、失敗を恐れずに再チャレンジすることが必要不可欠。
  3. 多くの試みが失敗に終わることを受け入れた上で、失敗を恐れることなく再挑戦する強さが必要

ということです。

何かをしようと意識して懸命に努力すればするほど、成功することは少なくなる。 熟練と成果は、やっているようでやっていない、あるいはリラックスと活動を結びつけるという逆説的な術を身につけた者だけにもたらされる。

Aldous Huxley オルダス・ハクスリー

終わりに

確かに、私たちは人生でさまざまなものを追い求め、それらを手に入れることに成功してきたかも知れません。しかし、幸福や自信、安心感などの高尚で抽象的な目標は、そう簡単には手に入らないものです。

なぜなら、これらの目標は、私たちの心の中の概念であり、現実のものではありません。私たちがいくら追いかけても、私たちのコントロールの範囲外にあるものです。

そのため、これらの目標を達成するためには、私たちの心のあり方を変化させる必要があります。自分の尻尾を追いかけるのではなく、自分の心の中の概念を理解し、それらに執着しないことが大切だとMark Manson氏は言いたいのではないでしょうか。

このyoutube動画は、人生における目標達成について、とても示唆に富んだものです。私たちの心のあり方を変化させることで、より充実した人生を送ることができるのではないでしょうか。

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