現代人はなぜ常に忙しくしているのか?オリバー・バークマン氏「時間との戦いをやめる方法。」要約と解説

はじめに
時間に追われていると感じることはありませんか?私は、そんな悩みを抱えていたときに、youtubeでオリバー・バークマン氏のTEDトーク「How to stop fighting against time. | Oliver Burkeman | TEDxUniversityofNicosia(時間との戦いをやめる方法)」を見つけました。この講演では、時間管理の常識を覆すような考え方や実践法が紹介されています。このTEDトークにとても感銘を受けたので、今回はこの動画を取り上げ、要約と解説をしたいと思います。
現代人は忙しい。この忙しさが異常であることにも気づかない。
とこの講演の中でOliver Burkemansi氏は述べています。
また、この動画には、私に衝撃を与えた一節があります。それは
生産性や効率性、忙しさといった考え方が魅力的なのは、時間が有限であること忘れさせてくれるからに他ならない
という言葉です。
私はこの動画を見て、自分の時間の使い方について考えさせられました。私はつい、忙しい、忙しいと言ってしまいますが、本当に大切なことに時間を割いているのでしょうか?忙しさは自分の価値や能力を証明するための言い訳になっていないでしょうか?自分の時間をコントロールできているでしょうか?
では、この動画から、時間の使い方について学んで行こうと思います。
忙しすぎる現代人の異常さに気づくこと
現代の忙しさで最も悲しいことは、多くの人が将来の重要なこと(例えば、小説を書くこと、家族を養うこと、政治活動家になること、ビジネスや組織を立ち上げること、など)に取り憑かれるようにタスクを片付けようと日々を過ごし、「今」を犠牲にしていることだ。
今を大切にしようと言うことですね。未来のことではなくむしろ、日常の中にこそ生きる意味や価値があるのではないでしょうか。
家族との時間を大切にし、ゆったりと趣味を楽しむ。そうした日々の営みの中から、人生の方向性が浮き彫りになり、より大きな目標が見えてくるのではないかと思います。
忙しさに追われすぎるあまり、今この瞬間を充実させることを忘れずに、バランスある生き方を心がけることが大切だと思います。
現代人は人間に機械のような効率性を当てはめようとしている。
これは産業革命から借りてきた時間についての考え方で、当時は工場の機械をより効率的に稼働させるためのかなり良い方法だった。しかし、何が起こったかというと、私たちは規律と効率と生産性という倫理観を内面化し、機械ではないのに機械のように自分自身を駆り立てようとしている。
現代社会では、生産性や効率性ばかりが強調されています。しかし、それは工場の機械を動かすための考え方であって、人間には適していないとOliver Burkemansi氏は述べています。私たちは、機械のように規律や効率に振り回されるのではなく、自分の人生を大切に生きるべきだと。
人間は機械とは異なります。感情や思考、創造性などを持ち合わせている存在です。生産性ばかりが重視されると、人間らしさが失われてしまう危険性があるのです。
むしろ、仕事と生活のバランスを取りながら、自分のペースで人生を楽しむことが大切だと思います。忙しさに流されるのではなく、自分の価値観に基づいて生きる。それが本来の人間のあり方なのではないでしょうか。
生産性と効率性も重要ですが、人間の多様性や柔軟性に目を向けることで、より健全な社会が実現できるのではないかと思います。
テクノロジーが時間を奪う
また、テクノロジーは、本来は時間を節約するために開発されたはずだが、逆に私たちの時間を奪っている。
ネパールの山奥で生活すれば、メールやインターネットがなくても、十分に充実した時間を過ごせるだろう。しかし、ニューヨークのタイムズスクエアのような場所で生活すれば、常に何かに追われているような感覚に陥るだろう。
確かに、コンピューターやスマートフォンなどのテクノロジーは、もともと人間の生活を便利にし、時間を節約する目的で開発されたのに、時間を奪う結果になっています。SNSや動画サイトを見て時間を無駄にしたり、メールの返信に追われたりと、テクノロジーに依存しすぎる生活はストレスを生みます。
社会を離れ、アナログな時間を心地よく過ごすことも大切です。テクノロジーを上手に利用する一方で、自然とのつながりを取り戻す試みも必要かもしれません。バランスのとれた生き方には、テクノロジーの賢い使い方が求められているのだと思いました。
現代人は時間が有限であることを忘れているよう。
進行期のがんを患った女性が、自分が死ぬとわかっているのはどんな気分なのかと質問されることに困惑たという話を聞いた。質問した本人もいつか死ぬのになぜそんなことを聞くのか。彼女はこう考えた。それは人間の有限性を直視することを避けるためだと。
生産性や効率性、忙しさといった考え方が魅力的なのは、時間が有限であること忘れさせてくれるからに他ならないということです。
しかし、それらは同時に、他の選択肢を犠牲にすることを意味する。例えば、仕事に時間を費やすと、家族や友人と過ごす時間は減る。
時間の有限性を意識することは決して楽しいことではありませんが、それは人生の本質的な条件でもあります。むしろ有限の時間を意識することで、本当に大切なことに注力できるのではないでしょうか。
生産性よりも人生の質を優先させ、心の豊かさを求めること。それが時間の有限性と向き合う生き方なのかもしれません。
私たちは、人生が本当に大切なものは何なのかを問い直す必要がある。
人生とは、限られた時間の中で、何を優先するかを常に選択し続けるものだ。経済学者が機会費用と呼ぶこの考え方は、1分、1時間、1週間、1年という限られた時間の中で何かをすると決めたとき、その同じ期間で他の100万ものことをしないと自動的に決めてしまうというものである。
同時に、その10年間を他のことに捧げず、結婚できたかもしれない他の100万人のうちの1人と結婚せず、今晩は他の友人や子どもたちと過ごしたり、小説を読んだりすることも自動的に決めていることになる。
人生には無限の可能性がありますが、実際に手に入れられる時間は限られています。だからこそ、自分にとって何が最も価値あるのかを見極め、それにフォーカスすることが大切です。
例えば、仕事中心の生き方をしていても、家族との時間が足りないと感じたら、優先順位を変える勇気が必要でしょう。あるいは、楽しみにしていた趣味の時間を我慢して、資格取得の勉強に励む、といった選択もあるでしょう。
重要なのは、自分の人生において、何が最も意味のある過ごし方なのかを常に問い続け、柔軟に選択を変えていくことです。それこそが、限られた人生を最大限に生きる方法なのだと思います。
人間の限界を知る
自助努力の第一人者たちは、本当に何かを信じていれば限界はないような話をするのが大好きだ。これらの限界は、人間であることの根本的な限界であり、その中で最も恐ろしいのは時間という限界だと私は思う。
人は誰しも、時間や能力、健康などに限界がある存在です。しかし、自己改善のしすぎに集中していると、その限界から目をそらしてしまいがちです。
例えば、仕事で完璧主義を追求しすぎて疲弊したり、老化を否定して無理な若返りをしたりすることがそれにあたるでしょう。
むしろ、人間には限界があることを謙虚に受け入れ、自分のペースを大切にすることが重要です。そうすることで、気が散ることなく、本当に価値のあることに時間とエネルギーを注げるのです。
人は誰しも完璧ではありません。自分の限界を認め、その上で充実を追求する。それが人生をより豊かにする生き方だと思いました。
時間との無益な戦いをやめて、無限に長い梯子を登るのをやめて、ただ人生の現実に立ち戻れば、ようやく本当に大切なことに集中できるようになるかもしれない。
まとめ
以上のように、この講演では現代社会における忙しさの問題と、限界を受け入れることの重要性について論じています。
忙しさの問題
現代社会では、テクノロジーの進歩によって、私たちは常に忙しく追われています。仕事、家事、育児、趣味、さらにはSNSなど、私たちは常に何かしらに追われている感覚に陥いります。
この忙しさは、私たちの精神的・肉体的な健康に悪影響を及ぼす可能性があります。常に忙しくしていると、ストレスや疲労が蓄積し、うつ病や不眠症などのリスクが高まります。また、忙しさのために、大切な人や趣味の時間に割くことができなくなることもあります。
限界を受け入れることの重要性
この忙しさの問題を解決するためには、私たちは限界を受け入れる必要があります。私たちは、限られた時間と能力しか持っていない存在です。そのため、すべてのことに完璧に取り組むことは不可能です。
限界を受け入れるためには、本当に重要なことに集中し、それ以外のことは捨てなければならりません。本当に重要なことは、自分にとって何が重要なのかをよく考え、優先順位を決めることで見つけることができます。
感想
私は、この講演の内容にすごく共感しました。
私自身も、仕事や家事、趣味など、さまざまなことに追われ、常に忙しいという感覚に陥ることがあります。
特に以下の点が印象に残りました。
- 忙しくすることで、時間が有限であることを忘れようとしているのではないか?という点
- 私たちは、限界のある存在であるということを受け入れ、それに従って生きるべきだ。
- 限界を受け入れるためには、本当に重要なことに集中し、それ以外のことは捨てなければならない。という点
このTEDトークは、現代社会における忙しさの問題について、私たちに考えさせてくれる内容だと思います。
時間との戦いをやめて、時間と仲良くなりましょう。