逆境から立ち直る力:ベネフィット・ファインディングとレジリエンスを高める習慣[TEDトーク「レジリエンスの3つの秘密」から]

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TEDトーク「レジリエンスの3つの秘密」から、ベネフィット・ファインディングについて解説します。

Lucy Hone氏は、ニュージーランドの心理学者であり、レジリエンスに関する研究をしています。彼女は、娘を突然亡くした経験から、レジリエンスを高める方法を学びました。

レジリエンスとは、逆境や困難に直面しても、立ち直る力や回復する力のことをいいます。

Hone氏のTEDトークは、レジリエンスを高めるための3つの戦略を紹介しています。そのうちの2つは、ベネフィット・ファインディングと「自分のやっていることはいいことなのか、悪いことなのか?」と自問することです。

ベネフィット・ファインディングとは、どんな状況でもポジティブな側面を見つける能力のことです。ネガティブな出来事や状況に直面したときでも、良いことに注目することで、心の回復を促すことができます。

「自分のやっていることはいいことなのか、悪いことなのか?」と自問することは、自分の考えや行動が自分自身や周囲の人にどのような影響を与えているのかを振り返るためのものです。この質問に答えることで、より良い選択をすることができるようになります。

Hone氏は、これらの戦略を実践することで、娘の死を乗り越え、レジリエンスを高めることができたと述べています。

それでは詳しく見ていきましょう。

ベネフィット・ファインディング

ベネフィット・ファインディングとは、どんなことがあっても良いことを探すことができる力のことです。

人間は、原始時代から生き残るために危険や脅威から身を守る能力を進化させてきました。だから、危ないものや自分の弱さに気づくのが得意です。そのため、脳は、危険や脅威に関する情報を優先的に処理し、記憶に残すようにできています。だから、悪いことや嫌なことは忘れられないけど、良いことや楽しいことはすぐに忘れてしまうように出来ています。

でも、今の時代は、いろんな危険や嫌なものがたくさんあります。人間の頭は、それらを全部、大きな猛獣がいるように感じてしまいます。そのせいで、ストレスがずっと続いています。 

困ったことや悪いことを無視するのではなく、良いことに気づくことで、自分を元気にする方法を知っている人はレジリエンスがある人と言えます。ベネフィット・ファインディングは、どんなことがあっても良いことを探すことで、自分を元気にする力を強くするのに役立ちます。

例えば、Lucy Hone氏は、娘さんが亡くなってしまったという悲しいことがありました。悲しくても、彼女は「せめて娘は、病気で苦しんだりしなかったからよかった」と思うことができました。これはベネフィット・ファインディングの一つのやり方です。

彼女は、娘さんが病気で苦しんだりしなかったからよかったと考えたり、家族や友達の助けや、息子さんたちが元気でいることに感謝しました。

Hone氏は、ベネフィット・ファインディングが本当に効くという科学的な証拠を紹介しています。2005年に、Marty Seligman氏とその仲間たちは、人々に毎日良かったことを3つ考えてもらう実験をしました。すると、6ヶ月間の実験の間に、その人たちは、感謝の気持ちや幸せな気持ちが増えたことがわかりました。 

Hone氏は、悲しみを感じているときは、感謝を感じるのが難しいかもしれませんが、あえて良いことに目を向けることで、心の回復を促すことができるといいます。そして、ベネフィット・ファインディングを実践するためのヒントとして、次の2つを挙げています。

  1. 自分の言葉を見つける

アメリカ軍では、ベネフィット・ファインディングのことを「良いものを探す」と表現します。Hone氏自身は、自分のキッチンに「良いものを受け入れる」というネオンポスターを貼っているそうです。

ベネフィット・ファインディングを実践するためには、自分の心に響く言葉を見つけることが大切です。

  1. 意識して良いことに注目する

ベネフィット・ファインディングは、自分でやってみることで効果が出ます。毎日、良かったことを3つ書くだけで、気持ちが変わることがあります。

そして、Hone氏は、自分を元気にする人は「自分のやっていることはいいことなのか、悪いことなのか?」と自分に聞くと言っています。これは、自分のやることや感じることが、自分や周りの人にどんな影響をするのかを考えるための質問です。この質問に答えることで、もっといいことを選べるようになります。

ベネフィット・ファインディングと、自分を元気にする人が自分に聞く質問は、心の強さを作るための大切な方法です。ぜひやってみてください。 

この質問は、どんな場面でも使えます。例えば、出世したい、テストに合格したい、心臓の病気から治したいなど、さまざまな目標を達成するために、自分の考えや、やることがいいことなのか、悪いことなのかを考えることができます。

「自分のやっていることはいいことなのか、悪いことなのか?」と自問することで、私たちは意思決定のコントロールを取り戻すことができます。

Hone氏は、レジリエンスはすべての人に備わっている能力であり、特別なスキルや知識が必要ではないと述べています。レジリエンスを高めるためには、ベネフィット・ファインディングや「自分のやっていることはいいことなのか、悪いことなのか?」と自問するなど、ごく普通のプロセスを実践するだけでよいといいます。

Hone氏は、人生には予想もしないことが起こることもあるけど、自分を元気にする力を出すことで、大変なことを乗り切ってまた頑張れるようになると言っています。そして、自分を元気にする力を強くするためのやり方は誰でも、いつでも、どこでもやれることだと言っています。

まとめ

ベネフィット・ファインディングという能力と、それがレジリエンスにどう影響するかについて紹介しました。ベネフィット・ファインディングは、どんな状況でも良いことを探すことができる力です。レジリエンスは、自分を元気にする力です。この二つの能力は、心の強さを育むためにとても大切です。

ぜひ、毎日の出来事を振り返り、良いことや楽しいことを意識的に記憶に留めてみてください。

具体的な方法

良いことや楽しいことを忘れないようにするには、以下の方法が有効です。

  • 毎日、良いことや楽しい出来事をノートに書き留める
  • 良いことや楽しい出来事を誰かに話す
  • 良いことや楽しい出来事を写真や動画に残す

また、良いことや楽しいことを意識的に思い出すようにすることも大切です。例えば、毎日の朝起きたときに、昨日の良いことや楽しいことを思い出すようにしましょう。

良いことや楽しいことを意識的に記憶に留めておくことで、より充実した人生を送ることができるでしょう。

以上で今回のブログ記事は終わります。次回もお楽しみに!

The three secrets of resilient people | Lucy Hone | TEDxChristchurch

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