第5の習慣「まず理解し、それから理解される」~日常生活で実践できる『影響力の高い人の7つの習慣』
第5の習慣
今回は、「まず理解し、それから理解される」についてお話しします。前回は第4の習慣についてお伝えしましたが、今回は第5の習慣にフォーカスしてみましょう。
第4の習慣:「Win-Win思考」については下のページを見てください。
多くの人は、相手の話を聞いて理解しようとするのではなく、自分の意見を述べるために話を聞いています。
そのため、相手の話を聞いても、相手の立場に立って理解することができず、誤解や衝突が生じやすくなります。返事をするつもりで話を聞くべきではありませんし、無理に押し付けたり、強要したりしてはいけません。
例えば、相手の話に反論ばかりしたり、相手の話を遮って自分の意見を言ったりすることです。
一方、相手の話を理解しようと努めると、相手の考えや気持ちが見えてきます。すると、相手の立場に立って物事を考えることができ、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
つまり、「まず理解し、それから理解される」とは、相手の話を理解しようと努めることで、より良い関係を築くことができるということです。
習慣5の実践例
下のような場面を想像してみてください。
あなたは、ある会社のプロジェクトマネージャーとして、新しい製品の開発を担当しています。あなたのチームには、様々な分野の専門家が集まっており、それぞれが自分の役割や責任を持っています。しかし、チーム内にはコミュニケーションの問題があり、互いに理解し合えないことが多くあります。
例えば、エンジニアはデザイナーの提案に対して技術的な難しさや不可能性を指摘し、デザイナーはエンジニアの意見に対して創造性や感性が欠けていると批判します。また、マーケティング担当者はエンジニアやデザイナーの考え方や言葉が分からず、自分のニーズや要望を伝えられません。
このように、チームメンバーはそれぞれ自分の視点から話を聞いており、相手の気持ちを理解しようとする努力をしていません。そのため、プロジェクトは遅れやトラブルに見舞われ、製品の品質も低下してしまいます。
この場合、習慣5を実践することで、チーム内のコミュニケーションが改善される可能性があります。チームメンバーがこの「まず相手の気持ちを理解しようとする、そして自分の気持ちを伝える」という習慣を身につけることで、以下のような効果が期待できます。
- エンジニアはデザイナーの提案に対して、ただ技術的な問題を指摘するのではなく、デザイナーがどんな目的や思いでそのデザインを考えたのかを聞き出そうとします。そして、デザイナーに対して自分の技術的な知識や制約を説明し、共に解決策を探そうとします。
- デザイナーはエンジニアの意見に対して、ただ創造性や感性が欠けていると批判するのではなく、エンジニアがどんな技術的な課題や困難に直面しているのかを理解しようとします。そして、エンジニアに対して自分のデザインの意図や価値を伝え、共に妥協点や改善点を見つけようとします。
- マーケティング担当者はエンジニアやデザイナーの考え方や言葉が分からないと言うのではなく、自分がどんな市場や顧客のニーズや要望を把握しているのかを具体的に示そうとします。そして、エンジニアやデザイナーに対して自分のマーケティング戦略や目標を明確に伝え、共に製品の方向性や特徴を決めようとします。
このように、チームメンバーが互いに相手の気持ちを理解しようとすることで、コミュニケーションがスムーズになります。また、自分の気持ちを伝えることで、相手に自分の視点や考えを理解してもらえます。これにより、チーム内に信頼や協力が生まれ、プロジェクトの進捗や製品の品質が向上します。
別の例です。
あなたは、ある学校の教師として、英語の授業を担当しています。あなたのクラスには、様々なレベルやバックグラウンドの生徒がいますが、特に一人の女性の生徒が目立ちます。彼女は、英語が母国語ではない国から来た留学生で、英語の発音や文法に苦労しています。彼女は、他の生徒よりも授業についていけないことに不安や恥ずかしさを感じており、授業中に発言することがほとんどありません。あなたは、彼女に対してどう接するべきでしょうか?
この場合、第5の習慣をどのように実践したらいいでしょうか。
- あなたは彼女の発音や文法に対して、ただ間違いを指摘するのではなく、彼女がどんな英語を学んできたのか、どんな困難や挑戦に直面しているのかを聞き出そうとします。そして、彼女に対して自分の英語教育の経験や知識を共有し、共に学習方法や目標を設定しようとします。
- あなたは彼女の授業への参加に対して、ただ無理やり発言させるのではなく、彼女がどんな不安や恥ずかしさを感じているのか、どんな興味や関心を持っているのかを理解しようとします。そして、彼女に対して自分の授業の意図や目的を伝え、共に授業内容やテーマに関する意見や感想を交換しようとします。
このように、あなたがまず彼女の気持ちを理解しようとすることで、コミュニケーションが円滑になります。また、自分の気持ちを伝えることで、彼女に自分の視点や考えを理解してもらえます。これにより、教師と生徒の間に信頼や協力が生まれ、授業の効果や品質が向上します。
以上が、第5の習慣の実践例です。
あなたの仕事や生活においても、第5の習慣を実践することで、人間関係の質が高まることがあると思います。第5の習慣は、人と話すときに必要なスキルや態度です。ぜひ、身につけてみてください。