英語は結果を得るためのツール~英語学習におすすめのTEDトークを紹介

英語を話すとき、ついつい「正しく話そう」と意識してしまいませんか?
もちろん、正しい英語を話すことは大切です。しかし、正しさばかりにこだわると、かえって会話がうまくいかなくなってしまうことがあります。
今回は英語についてのtedトーク「Learning a language? Speak it like you’re playing a video game | Marianna Pascal | TEDxPenangRoad」を観たので紹介したいと思います。
講演者のマリアナ・パスカル氏(Marianna Pascal)は過去20年間マレーシアの人々に英語が話せるようになるトレーニングをしてきた中であることに気づいたそうです。
それは、英語でのコミュニケーションにおいて2種類のタイプがいる。ということです。
- レベルが高いが、自分のことだけに集中し、それを正しく伝えることができない人。
- レベルは低いが、話している相手に完全に集中し、結果を出すことに集中している人。
1の人は、「発音が間違っていないか」「正しく伝わったか」など、とにかく間違わないようにしようというマインドということですね。
2の人は間違うことに気にしないで「伝える」という目的に集中しています。
もちろん、2のほうが早く英語が喋れるようになる、つまりコニュニケーションが成立するというわけです。
以前別の記事で紹介した「スーパーマリオ効果」と同じ結論ですね。
うまく話すことよりも、相手に伝わることのほうが遥かに重要だということです。なぜかというとパスカル氏はこう言っています。
もし今地球上で行われているすべての英語の会話を聞いたとしたら、その96%が英語を母国語としない人たちとの会話であり、ネイティブ・スピーカー同士の会話はそのうちのわずか4%しかないことに気づくだろう。これはもう私の言葉ではない。英語をマスターするためのアートではなく、結果を得るためのツールなのだ。
コニュニケーションが大事だという論拠として、以下の点を挙げています。
- 英語を話す人で、英語を母国語とする人よりも、英語を母国語としない人の比率の方が圧倒的に高い。
- 英語を母国語としない人たちとの会話の96%は、英語を母国語としない人たち同士の会話である。
少し前にバーベキューに行ったときのことだ。世界中のエンジニアが集まるバーベキューだった。彼らはホットドッグを作っていた。普通のホットドッグもあれば、チーズの入ったホットドッグもあった。
フランス人のエンジニアがホットドッグを作っていて、フランスのエンジニアが韓国人のエンジニアに向かって「Would you like a hot dog?(ホットドッグはいかがですか?)」と言った。
韓国人のエンジニアは「Yes, please!(はい、下さい!)」と言った。
するとフランス人のエンジニアが言った。「Do you want the cheese?(チーズがほしいですか?)」と聞きました。すると韓国人はテーブルを見回して「I no see cheese.(チーズがない)」
するとフランス人のエンジニアが言った。「The hot dog is contains the cheese.(ホットドッグはチーズを含んでいる)」(笑)でも韓国人のエンジニアは理解できなかった。そこでフランス人のエンジニアもう一度試してみる「The hot dog is … making from … with the cheese.(ホットドッグは……チーズで……作っています。)」(笑)韓国人のエンジニアはまだ理解できない。フランス人のエンジニアはもう一度試す「The hotdog is coming from – No, the cheese is coming from the hot dog.(ホットドッグは…から出来ている…いや、チーズはホットドッグから出来てる(来ている)んだ。)」まだ、韓国人のエンジニアは理解できない。そこで、この会話を聞いていた日本人エンジニアが韓国人エンジニアに向かって言った。「Ah, Cheese … integrator(あー、チーズを統合しています。)」(笑)みんな理解しました。
つまり、これが今日の英語なんだ。コンピュータゲームのように、結果を得るために弄る道具に過ぎない。
世界中の学校では、英語は遊び道具のように教えられず、アートのように教えられていると言います。
この生徒はパラグラフ4を明確に理解しています。しかし、正しくない!”environment “の “N “が抜けていたからだ。しかし、現実の世界では何が問題なのでしょうか?
英語教育においては、正しさも重要ですが、わかりやすさも同様に重要です。正しい英語を話すことは大切ですが、相手に自分の言いたいことが伝わらないと意味がありません。
学校での理解力試験では、文法の間違いで点数が減ってしまうことがあります。しかし、文法の間違いがあっても、相手に自分の言いたいことが伝われば、それは正しい英語と言えるでしょう。
現実の世界では、メールの内容や顧客の理解が重要です。メールや顧客と会話をする際に、正しい英語を話すことは大切ですが、それ以上に、相手に自分の言いたいことが伝わることが重要だと述べています。
また、パスカル氏は、学生時代に培った英語に対する姿勢を、社会人になっても持ち込んでしまう人が少なくないと指摘しています。
ストレスの多い状況で会話をすると、脳がマルチタスクになり、正しく伝えようとしすぎて、脳がシャットダウンしてしまうことがあります。
その結果、話を聞けなくなったり、言葉が出てこなくなったり、自信がなくなったりすることがあります。
英語で自信を持って話すためには、以下の3つが大切です。
- 話すときは、自分に集中しない。相手と自分が達成したい結果に集中する。
- 英語はマスターすべき芸術ではなく、結果を得るために使う道具だということを忘れない。
- 失敗を恐れない。
おわりに
英語での会話はアートではなくコミュニケーションするための道具だというのはものすごく賛同できます。
だからといってずっと不正確な英語でいいというわけではないとも思います。なぜなら正しい英語を話すことは、相手に信頼感を与える効果があります。
英語を母国語としない人にとって、正しい英語を話す人は、英語をよく理解している人、英語に自信を持っている人という印象を与えます。そのため、ビジネスや教育などの場面では、正しい英語を話すことが重要であるという考え方もあります。
また、正しい英語を話すことができれば、より幅広い人たちとコミュニケーションをとることができます。例えば、ネイティブスピーカーと話す機会が増えたり、英語で書かれた資料を読んだり理解したりできるようになります。そのため、正しい英語を身につけることは、英語力を向上させるためにも重要であるという考え方もあります。
英語で自信を持って話すためには、正しさばかりにこだわらないことが大切であるという意見は、一理あります。
しかし、正しい英語を話すことには、相手に信頼感を与える、コミュニケーションの可能性を広げる、英語学習のモチベーションになるなどのメリットもあります。
私は、正しさとわかりやすさのバランスを重視することが大切であると考えています。
そのため、正しい英語を身につけることはもちろんのこと、相手にわかりやすい英語を話すための練習も大切であると思います。また、失敗を恐れずに、たくさん話すことで、英語力と自信がアップするはずです。