快適さが人をダメにするのはなぜか

アメリカの起業家、コーチ、ベストセラー作家であるビル・エクストロム氏の講演をyoutubeで聞きました。[快適さが人をダメにするのはなぜか | ビル・エクストロム | TEDxUniversityofNevada]

ビル・エクストロム氏は一流企業に勤めるいわゆる「勝ち組」でした。しかしある時、突然クビを言い渡され不幸のどん底に突き落とされました。

しかし間もなく 人生の再出発だと奮起して新たな仕事仲間や大学の博士課程時代の友人と共に数年ほど研究を続けた結果、あることを悟ったそうです。

不快と成長の法則を紐解き 活用する方法についてです。この考え方を我々は 「成長の輪」と名付けました。
快適な物事は人をダメにします。不快を感じる物事こそ成長への唯一の道なのです。もう一度言います。快適な物事は人をダメにします。不快な状態においてのみ人は成長を続けられるのです。

これは、どういう意味なのでしょうか?このあと解説していきたいと思います。

「成長の輪」とは 成長を促進または阻害する生活環境の象徴

例えば金魚の大きさを決めるのは置かれた環境です。金魚鉢の中で育てるか、大きな池で育てるかで成長に違いが出るように、

仕事の環境 生活環境 遊ぶ環境 これら全てがあなたの成長を決定付けるのです。

成長の環その1:成果も成長も乏しい環境

「停滞」

追うべき手順や得るべき許可や決まりが多い環境です。
創造性や自立した考え方や行動を殺してしまう状況です。

官僚的な組織、規制の多い業界、トップダウン型の組織がこれに当てはまります。

・「停滞」の正反対の「混沌」
ここでも 成果や成長は あまり望めません。「混沌」とは 先が全く見えず、自分たちの行動にもその結果に対しても制御がきかないことです。

事業合併や 自然災害、戦争などがこれに当てはまります。
また、日常生活においても「新しい環境に身を置いたとき」や「重大な決断を迫られたとき」が当てはまります。

成長の環その2:最も望ましいとされる環境

それは「秩序」です。

「秩序」とは 自分の行動や 今いる環境で起こっていることが 想定内の結果につながることです。そして想定可能な物事は快適なものです。しかし快適さのせいで 「秩序」が大きな危険をはらむのです。
それはなぜでしょうか?

科学的にも証明されていますが、同じことをずっと継続したり、何かについての考え方を変えずに維持すると、いずれ成長が止まってしまうからです。

成長とは不快な状態でしか起こらないのです。

成長の環その3:成長が望める環境

それは「複雑性」です。

不快さに襲われたように感じるとき それはあなたが「複雑性」の輪の中にいることを意味します。

先が読めないことこそ 不快さの元なのです。大体の場合において、不快に対する直感的な反応は、ただの「嫌だ」ではなく「絶対嫌だ」ですが 、その実、不快を意識して認めることで力が湧いてくると実感できるのです。

”不快を歓迎できるように なるべきです。”とも言っています。

「複雑性」を 人生に織り込むための3通りのきっかけ

きっかけ その1 選択の余地なく起こる場合

例えば「解雇」や「突然の誘い」「突然の離婚」などです。こうなった場合は「秩序」を保つ余地はありません 「複雑性」が勝手に選択されるのです。こういった場合、その人の反応次第で成長の度合いが決まります。

私の場合、怒りにしがみついてそれを言い訳にすることもできたのですが、実際に学んだのは、自分が従業員としてはダメだということと、
自ら会社を経営するリスクを受け入れる方がずっと向いているということでした。

きっかけ その2:誰かの助力がある場合

これは親や教師やコーチや上司の役目です。当の本人だけでは意識的に または潜在意識で「秩序」が持つ快適さを選んでしまうからです。
だから成長を続けるためには 「複雑性」を持つ状況へと導いてもらう必要があります。

私の一番下の娘は高校生活のほとんどをテニスに捧げました。娘のコーチは私の事業内容のテーマである「複雑性」や「成長の輪」に 詳しかったので、娘の上達の様子を聞こうと電話をかけて、こんな質問をしても大丈夫でした 「コーチ。娘が最後に複雑性の世界に突き落とされたのはいつですか?」 コーチの返事は 「なんと、このタイミングで訊かれるとは面白いですね。つい昨日 テニスコートで 泣き崩れたばかりです」

もしここで、「成長の環」について知らなかったら、娘に干渉して「複雑性」を取り除き「秩序」を与えてしまい、娘の成長を殺してしまったことでしょう。
きっかけ その3:自分で「複雑性」を招く

1950年代のアラバマ州モンゴメリー市、黒人の少女を頭に浮かべてみてください。
1955年3月2日 学校の帰り道にバスに乗り、後方の座席に座ります。黒人が座ってもよい席の1列目です。バスにはどんどん 白人が乗り込んできて、ついに前方には席がなくなります。市の法律では黒人は白人に席を譲って、さらに後ろに移動しなければなりません。モンゴメリーには「秩序」が確立されており、それに従えば 非常に予想しやすい結果が伴いました。「衝突のない抑圧」です。
しかし15歳のクローデット・コルヴィンは学校で黒人の歴史について1ヶ月みっちり勉強したばかりで、未だに横行していた歴史的な非人道的行為にウンザリしていたのも無理もありません。そんなわけでモンゴメリー市の「秩序」に、この日は逆らうことにしたのでした。頑として席を譲らなかった結果クローデットは地域社会や法律や国全体に「複雑性」をもたらしました。
15歳の少女は手錠をかけられ、バスから引きずり降ろされ、刑務所に入れられたのでした。

秩序と衝突のない抑圧は、表裏一体の関係にあります。秩序を維持するためには、衝突を抑圧することが必要不可欠であるからです。

しかし、衝突を抑圧しすぎると、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 不満や不平が蓄積し、爆発する可能性がある。
  • 創造性や革新性が阻害される可能性がある。
  • 人権や自由が制限される可能性がある。

したがって、秩序を維持するためには、衝突を抑圧するだけでなく、衝突を適切に解決する方法も必要です。

まとめ

「複雑性」の中にいないと人間は成長できないということですね。いつも同じことを繰り返してしまい、新しい知識やスキルを身につける機会が減ってしまいます。いわゆるコンフォートゾーンから出て、居心地の悪い環境に身を置くということです。

新しいスキルを学ぶ、新しい人と出会う、新しいことにチャレンジするなど、これまでの経験とは異なる環境に身を置くことで、私たちは新しい視点や考え方を獲得することができます。そして、それらの経験を積み重ねることで、人間は成長していくのです。

もちろん、コンフォートゾーンから出るということは、不安や恐怖を感じることもあります。しかし、その不安や恐怖を乗り越えることで、私たちはより大きな成長を遂げることができるのです。

そして、コンフォートゾーンを出るきっかけは3種類あると説明されていました。

  • 選択の余地なく起こる
  • 誰かの助力がある
  • 自分で「複雑性」を招く

コンフォートゾーンから出る具体的な方法をいくつか挙げます。

  • 新しいスキルを学ぶ
  • 新しい人と出会う
  • 新しいことにチャレンジする
  • 旅行や留学をする
  • ボランティア活動をする
  • 自分の意見を言う
  • 失敗を恐れない

これらの方法を参考にして、ぜひコンフォートゾーンから出る勇気を持ちましょう!

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